財産分与を知らないと損をすることも。ここで基本を覚えてください。
財産分与とは、結婚期間中に夫婦で築いた財産を、離婚のときに分け合うことです。
財産を清算するかたちになりますので「清算的財産分与(せいさんてきざいさんぶんよ)」とよばれています。
夫婦の一方が、他方に対して財産を分けるように請求しますので、通常ですと妻から夫へ請求するケースがほとんどです。
なお、財産分与は、離婚届を出してから2年間が経過すると請求することができなくなります。 可能なかぎり離婚前に取り決めをしてください。
今すぐ相談する!→ このページの上へまず最初に、対象となる財産を特定しましょう。婚姻期間が長いほど、たくさんの財産があると思います。
夫婦の財産には、さまざまなものがあります。不動産、預貯金、株券、生命保険、ゴルフ会員権、自動車などなど。 あとは、借金などの「債務」も財産に含まれます。
また財産の名義も「夫婦のどちらか一方のもの」「夫婦共有名義のもの」「どちらの名義なのか、はっきりしないもの」とさまざまだと思います。
ここで、ちょっとだけ法律をのぞいてみましょう。
民法には、夫婦の財産についてこう書かれています。
| 民法762条(特有財産、帰属不明財産の共有推定) 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名義で得た財産は、その特有財産とする。 A 夫婦のいずれかに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。 |
ちょっと、わかりにくいですね。
つまり、夫婦の財産は、つぎの3つに分類することができます。
@特有財産
A共有財産
B実質的共有財産
もう少し、くわしくお話ししますと…
@特有財産
婚姻前から自分の名義であったり、婚姻期間中に相続などで個人的に得た財産のことをいいます。
たとえば、自分名義の預貯金や、高級時計、親の遺産などでしょうか。
A共有財産
婚姻期間中に、夫婦がふたりの名義で得た財産のことをいいます。たとえば、住宅などの不動産が代表的ですね。
B実質的共有財産
婚姻期間中に、夫婦どちらか一方の名義で得た財産のことをいいます。名義は夫か妻、どちらかになりますが、
ふたりで協力をして築いた財産のことです。たとえば、預貯金があげられます。
これらのうち、清算の対象となる財産は、婚姻中にお互いの協力によって得た共有財産と 実質的共有財産の2つになります。
今すぐ相談する!→ このページの上へ財産分与の対象となる財産を特定するときの、主な注意点をあげておきます。
○預貯金
たとえば、夫婦が共働きをしていたとします。
婚姻期間中、お互いの収入をひとつの家計として管理し、その中から夫名義で預貯金をしていたときは、お互いが協力をして得た財産だと考えられますので、財産 分与の対象となります。
○職業上の資格
婚姻期間中に、たとえば、夫が妻の協力を得ながら医師や弁護士など、専門的な免許を取得したような場合には、清算の対象となります。
○婚姻費用
別居期間中、婚姻費用の支払いがなかったときは、財産分与に含めるかたちで請求します。
【住宅ローンを支払い中のとき】
たとえば、夫名義で住宅ローン支払い中の夫名義の建物を、妻が財産分与として受け取るとします。
このようなケースでは、名義変更手続き(所有権移転登記)やローンの支払方法など、多くの問題点が含まれています。
事前に必ず借入先の金融機関へ相談をしてください。
【ローンのない不動産】
最寄りの税務署に相談をしてください。税金や控除について事前に確認しましょう。
対象となる財産が特定できましたら、表にまとめておきましょう。
現金以外の財産は、できるだけ見積もりをとったほうがいいと思います。たとえば、「自動車1台」というよりも、 「自動車1台○○万円」としておいたほうが、自動車1台をもらったほうが得なのか、その分を現金でもらったほうが得なのか、わかりやすいですよね。
また、裏づけ資料として、不動産の登記簿謄本、預貯金通帳のコピー、株券のコピー、生命保険証券のコピー、車検証のコピーなど、 できるだけとっておきましょう。万が一、勝手に財産を処分されたときの証拠となりますので…。
別居をお考えのときには、別居前にそろえたほうがいいですよ。
今すぐ相談する!→ このページの上へ財産分与における「夫:妻」の割合ですが、これも基本的に話し合いによって決めます。一般的には、築いた財産の貢献度合いによって決めるようですが…。
私個人の意見として恐縮なのですが、財産分与の割合は、収入の多少にかかわらず
「夫:妻=50:50」
でいいのではないかと思います。
また、仮にあなたが離婚原因(たとえば、不貞行為をした)をつくったときでも、当然に請求することができます。
なお、支払いは、一括で支払ってもらうように交渉します。仮に分割のときは、最初の1回目に大きく、2回目以降は定額にし、 なるべく回数が少なくなるように交渉しましょう。
今すぐ相談する!→ このページの上へ清算をするだけの財産がなく、しかも無職、高齢、病気などで、離婚後の生活が不安定になるようなときは、生活が安定するまで、 毎月の生活費を支払うという取り決め方もできます。
このような取り決め方を「扶養的財産分与(ふようてきざいさんぶんよ)」といいます。
たとえば、あなたが専業主婦であれば、離婚とともに収入が途絶えるわけですから、経済的に成り立たなくなりますよね。
多少でも、清算的財産分与があればいいのですが、それがないとすると、本当に大変です。
そのようなとき、離婚後の生活が安定するまでの期間(2〜3年程度)、毎月一定額を支払うような取り決めをします。
金額がいくらになるかは、ケースバイケースです。お互いの話し合いで決めることになるワケですが、 いままでの家計簿や、今後の見通しなどを考えて決めましょう。
また、仮にあなたが離婚原因(たとえば、不貞行為をした)を作った場合でも請求することができます。 ただし、慰謝料との兼ね合いで、大幅に減額されても仕方がないとは思いますが…。
なお、「清算的財産分与+扶養的財産分与」のような取り決め方もできます。
可能なかぎり、十分に話し合いをしてください。
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