離婚時の口約束を公正証書する意味があります。それは将来の安心を手に入れたに等しいということ。
公正証書とは、公証人に頼んで作ってもらう書類のことです。
その書類の利点は、裁判の判決と同じ効力がある(裁判に勝ったことと同じ)ということです。
ちょっと、わかりにくいですね。。。
では、例として、財産分与を例にあげてみます。
(説明しやすいように、女性側からの視点で書いております。)
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離婚のときの約束で、夫は、あなたに、財産分与として金300万円を、平成18年3月31日までに、あなた名義の口座に支払うといった内容の「離婚協議書を 作っていた」とします。 ところが、4月に入っても、元夫からは入金がありません。あなたは、電話をかけたり、手紙を送ったりしましたが、反応がありません。元夫には、現金があるこ とはわかっています。しかし、いまだに入金がありません。。。 さて、こんなときはどうしたらいいのでしょうか。元夫の通帳と印鑑を勝手に持ち出したり、怖い人に回収を頼んだりしてはダメ。逆にあなたが訴えられますから。 日本には、自力救済の禁止(じりききゅうさいのきんし)という決まりがあります。「何か問題が起きたときは、自分で解決せずに、裁判所の手続きを利用しなさ い」ということです。あなたは、裁判をしてから、判決というものを取らなければいけません。 裁判には、時間と手間がかかります。また、場合によっては、弁護士を頼まければいけないときもあります。そうすると、弁護士費用がかかりますよね。裁判に負 けることはないと思いますが…とにかく大変です。 数ヵ月後…やっと裁判に勝ち、判決がでました。。。さて、次は、元夫の財産差し押さえの手続きを・・・ 〜 まだまだつづく 〜 |
離婚協議書を作っただけでは、本来の目的には達していません。
例にもあるように、離婚協議書だけですと
約束が守られない → 裁判 → 判決 → 差し押さえ手続き
という流れになります。余計な時間と費用がかかり、かなり面倒です。
ところが、離婚協議書を公正証書にしてさえおけば、
約束が守られない → 差し押さえ手続き
ということが可能です。
なぜ、こうなるかといいますと、「強制執行認諾約款(きょうせいしっこうにんだくやっかん)」という次のような一文が公正証書に入るからです。
○○○○は、本証書記載の金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨認諾した。
つまり、「約束のお金を支払わなかったときは、私の財産を差し押さえられても、文句はいいません」という意味です。
このように、裁判をしなくてもいいという点が、大きな特徴です。
相手は、「簡単に差し押さえされる!」というプレッシャーを受けますので、約束を守る確率が非常に高くなります。仮に支払いが遅れても、さほど苦労すること なく、回収できそうですよね。
ただ、注意をしてほしい点がひとつだけあります。
公正証書があれば100%安心か、という点です。
相手の経済状況が悪くなった場合、差し押さえできるだけの財産がなければ、いくら公正証書といえども万能ではありません。
その点だけはご理解ください。
ですので、特に養育費を受け取るときには、相手の経済状況を押さえておくことが非常に大切になってきます。
なお、協議離婚の際、2007年4月からはじまった厚生年金分割制度を利用するときには、必ず公正証書を提出しなければいけません。
今すぐ相談する!→ このページの上へ強制執行がイヤで、離婚にともなう公正証書を作ることを拒否するケースがあります。なかには、友人などから「離婚で公正証書は絶対つくるな!」などと吹き込 まれるとか…。
しかし、これは、間違った考え方なんです。
仮にですが…
口約束すらできずに離婚したとしますね(最悪のパターンですが)。
ところが、経済力がある相手に対しては、裁判所で正式な手続きを踏めば、キッチリと回収することができます。
残念ながら、抜け道はありません。
間違った情報を信じたために、結局のところ、お互いの時間と費用を浪費することになってしまいます。
なにもいいことはありません。
離婚は一種の契約です。
離婚後のトラブルを避けるためにも、離婚と同時に公正証書を作るべきではないでしょうか。
では、公証人に離婚にともなう公正証書を作ってもらう方法をご説明しましょう。離婚協議書ができあがっていれば、あともう少しですよ!
手順は、基本的に次のとおりになります。(公証役場によっては、すすめ方に多少の違いがあります。)
@ 公証役場を探す
↓
A 公証役場に連絡をする
↓
B 書類の事前審査を受ける
↓
C 公正証書の交付
@公証役場(こうしょうやくば)を探す
まずは、お近くの公証役場を探しましょう。公証役場所在地一覧からお探しください。
A公証役場に連絡をする
Bを受けるための電話予約を、事前にしてください。
予約の際には「離婚協議書の内容を公正証書にしたい」と話せば、必要書類(離婚協議書、戸籍謄本、印鑑証明書、運転免許証の写し、登記簿謄本など)を教えて くれます。連帯保証人をつけたときは、そのことも話してください。
また、公証人によっては、書類がそろったら、ファックスで送ってほしい、という場合もあります。公証人の指示にしたがってください。
B書類の事前審査を受ける
予約の日時に、書類を一式持参します。(公証役場によっては、事前審査が省略されることもあります。)交付の日時と、公証人の手数料(おおよそ2〜5万円前 後です)を確認してください。
C公正証書の交付
当事者本人または代理人が、印鑑(実印)を持参して公証役場に行きます。公証人は、離婚協議書をもとに、あらかじめ公正証書を作成しています。内容を読み上 げ、書類に署名押印をします。手数料を支払い、公正証書が交付されます。あなたは公正証書の正本が、夫には公正証書の謄本がそれぞれ交付されます。
もし、相手が代理人を頼んでいたときは、相手に公正証書の謄本を送達(郵送)してもらうように、公証人にお話ししてください。←重要
流れとしては、大体このような感じです。(公証役場によっては多少違ってきますので、その点はご了承ください。)
今すぐ相談する!→ このページの上へ公証役場には、原則として、離婚協議書にサインをした当事者が直接行くことになっています。もし、離婚の当事者が行けないときは、代理人が行くことになりま す。
代理人が行くときは、代理人の印鑑証明書など、離婚する本人とは別に書類が必要になってきます。
当日まで当事者が行くことになっていたものの、Cの交付日にどちらかがドタキャンすると、その日に公正証書をもらうことができず、無駄足になってしまいます。
ですので、本人が行くのか、代理人を頼むのかを上記「A公証役場に連絡をする」のときまでに決めておき、公証人に伝えてください。なお、代理人は親族、友人 など、誰がなってもかまいません。
代理人を頼むときは、委任状が必要です。サンプルを参考までにあげておきます。
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<記載例>
委 任 状 私は、つぎの者を代理人と定め、下記の事項を委任する。
代理人 住 所 記
1.別紙契約書による公正証書の作成嘱託に関する一切の件 平成 年 月 日 委任者
住 所 |
それは、「離婚後のお金と時間」のためです。
平成15年に法律が変わり、財産の差し押さえが前よりも簡単にできるようになりました。ですが、誰でも、どんなときでも簡単にできるワケではなく、 離婚に関係したお金で、公正証書(あとからご説明しますが、調停調書なども含みます)を作っておいたときにだけ、やりやすくなったのです。
公正証書は、ご説明したとおり、手間もかかるし費用もかかります。でも、離婚後の安心感が絶対に違います。
あなたも誰かにお金を貸した経験、ありますよね?約束の日が近づくにつれ、本当に返してくれるのかどうか、不安になりませんでしたか?
なかでも養育費は、長いケースだと20年に及ぶこともあります。
その間、ずっと不安でいるのはイヤですよね。
公正証書は一種の保険です。ぜひ、作ってください。
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